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エンドツーエンド暗号化(E2EE)は、デバイスから別のユーザーのデバイスへとデータを安全に転送する方法で、サードパーティから情報を保護します。 一般に、暗号化とは読むことができる形式から暗号文へとデータを変換する過程を指します。暗号文はランダムな文字列のブロックから成り、人や機械は読むことができません。 いったん暗号化されたデータは、暗号鍵で復号化して初めて読み取ることができるようになります。 E2EEが通常の暗号化と異なるのは、サービスプロバイダやサードパーティによるアクセスが不可能で、データを復号化できるのが意図された受信者に限定され、それによってデータのプライバシーがより高まる点です。
ここでは、E2EEの機能、仕組み、E2EEを使用してデータを保護することのメリットについて詳しく説明していきます。
エンドツーエンド暗号化との機能とは?
E2EEでは、送信者と意図された受信者のみが交わされるメッセージやデータを読み取ることができるようにすることで、プライバシーを維持します。 E2EEを通じて誰かにメッセージを送信すると、メッセージは人が読むことができるものから暗号文へと変換されます。暗号文の秘密のコードをアンロックできるのは、暗号鍵を持つ決まった受信者のみです。 E2EEは、1つのエンドポイントデバイスから別のエンドポイントデバイスへの間でデータの安全を守ります。これが名前に使われている「エンド」ツー「エンド」の由来で、そのどちらかのデバイスを利用している人のみがメッセージを読むことができます。 これにより、送信されるメッセージとその他のデータが何者かに不正にアクセスされる可能性が排除されます。
エンドツーエンド暗号化との仕組みとは?
E2EEでメッセージを復号化できるのは、特定の暗号鍵を持っている人物だけです。 たとえば、アルバートがベティにメッセージを送信したものの、そのメッセージがベティに送信される途中でキャロルに傍受されたとします。 アルバートが、自分とベティの双方が持っている暗号鍵を使ってメッセージを暗号化した場合、キャロルはそのメッセージを読むことができず、アルバートのプライバシーは守られます。 ベティは、アルバートからのメッセージが届いたら、アルバートと共有している特定の暗号鍵を使ってそのメッセージを復号化し、アルバートのメッセージを読むことができます。
メッセージ系アプリの多くは、E2EEを利用してメッセージがその受取人のみに届くようにします。 上記の例を使い、アルバートがE2EEをメッセージングアプリを使ってベティにメッセージを送信したとします。 アプリは、アルバートとベティの携帯双方に公開暗号鍵を保存します。 アルバートがメッセージアプリを使用してベティに暗号化されたメッセージを送信するたびに、ベティの携帯は自動的に秘密暗号鍵を適用してメッセージを復号化します。メッセージを表示できるのはベティのみです。 秘密暗号鍵はベティのデバイスに保管されているので、クラウドサーバーを通じて、または不正ユーザーによってアルバートのメッセージがアクセスされることは絶対にありません。 このため、E2EEはユーザーのプライバシーを危険にさらすことなく、メッセージのやり取りやデータの転送を行うのに優れた方法です。

エンドツーエンド暗号化を実装するメリット
E2EEには多くのメリットがあり、それらは、データの安全を確保して中間者(MITM)攻撃など多くのサイバー脅威から身を守るのに役立ちます。
データセキュリティ
E2EEを実装すると、通信内容のプライバシーが守られ、情報を見ることができる相手を自由に制御可能なためデータの安全性が格段に向上します。 E2EEでメッセージを見ることができるのは送信者と意図された受信者に限られるため、適切な暗号鍵がなければ誰もデータを傍受して解読することができません。
プライバシー
E2EEでは、送信者と意図された受信者の間で送信されるメッセージのプライバシーが守られ、クラウドサーバー、データ収集企業、ハッカーがデータにアクセスすることはできません。 たとえ暗号化されたメッセージが誰かに傍受されたとしても、復号化できるのは暗号鍵を持つ受信者のみであり、メッセージのプライバシーが守られます。 E2EEを実装することで、メッセージの機密性が高まり、プライベートなデータを見ることができる相手を制限できます。
データ漏洩リスクの軽減
E2EEを使用することでデータ漏洩のリスクを大幅に軽減できます。メッセージの暗号化により、デバイスから意図された受信者のデバイスへとメッセージが移動する間の安全を維持できるからです。 たとえハッカーがメッセージを傍受しても、解読するための暗号鍵がなければデータは意味をなしません。 E2EEは、安全でない公衆Wi-Fiネットワークに接続されている場合にもデータの保護に役立ちます。暗号鍵がなければ、不正ユーザーはメッセージにアクセスできないためです。
知的財産の保護
E2EEを実装すると、データ管理を確実に行えるようになり、知的財産の安全を確保して知的財産が不適切な人物の手に渡るのを防ぎます。 E2EEによってメッセージやデータの機密性が守られるため、知的財産を見ることができるのは意図した相手のみになります。 たとえハッカーや意図しない受信者がメッセージを傍受しても、暗号鍵がなければ知的財産を盗むことはできません。
エンドツーエンド暗号化をオフにするとどうなるのか?
E2EEをオフにすると、セキュリティリスクが高まって他人との通信のプライバシーが危険にさらされます。 全体的に、メッセージ系アプリでE2EEを無効にすると、不正アクセスに対するデータの脆弱性が高まります。 E2EEがなければ、送信されるメッセージは、送信の際中にサービスプロバイダ、サードパーティやハッカーによって見られる可能性があります。 E2EEが有効でない場合、サービスプロバイダはメッセージを見ることができます。すると、このデータが保存されて他人と共有される可能性が生まれ、プライバシーが低下します。 また、E2EEをオフにすると、WhatsAppといったオンラインのメッセージアカウントが侵害され、昔のメッセージが誰かに見られる可能性もあります。
エンドツーエンド暗号化によるデータの安全確保
メッセージの内容が何であれ、メッセージのプライバシーを確保して安全な暗号化で保護するのは当然のことです。 E2EEを使用すると、特定の暗号鍵をもった者だけがデータにアクセスして読むことができるため、サードパーティ、サービスプロバイダ、クラウドサーバー、ハッカーからデータを保護できます。 メッセージ系アプリやそのほかのオンラインアカウントでは可能な限りE2EEを有効にして、プライバシーとセキュリティを守りましょう。