ワンクリック詐欺から身を守るためには、どんなに不安を
警察を名乗る詐欺の手口は、増加しており、多くの人々が被害に遭っています。
警察のなりすました詐欺は、警察という信頼される権威を悪用することで、被害者に不安を与えるため、その詐欺の成功確率を高めており、危険です。
方法としては、警察になりすましたSNSアカウント、なりすまし電話、なりすましSMSやLINEメッセージなど多岐に渡ります。
例えば、石川県警を名乗る詐欺が増えていることや、埼玉県警からも今年だけの被害額でも9億円以上に及ぶことから注意喚起が出されています。
これらの手口は、警察という信頼される権威を悪用することで、被害者に不安を与え、冷静な判断力を奪う狙いがあります。
今回は、なぜこのような警察のなりすまし被害が増えているのか、その警察を名乗る詐欺の種類、自分自身を守る方法について解説します。
警察になりすました被害が増えている理由とは?
警察になりすました詐欺が増えている背景には、以下の要因が挙げられます。
AIによるテクノロジーの進化
AI技術の進歩により、詐欺師は巧妙ななりすましの手口を次々と開発しています。
特に、音声生成や映像編集を用いた技術を活用し、警察官の声や顔を精巧に再現することが可能になりました。
これにより、電話やビデオ通話での警察のなりすましがより現実味を帯び、多くの人々が疑うことなく騙される事態を招いています。
また、AIは大量の個人データを処理し、被害者のプロフィールに合わせた詐欺を自動的にカスタマイズすることで、被害を拡大させています。
恐怖心の煽り
警察を名乗る詐欺は、被害者に対して恐怖心を強く煽ることで効果を発揮します。
詐欺師は「あなたが犯罪に関与している」「口座が凍結される」などといった重大な問題を持ち出し、被害者がすぐに対応しなければならない状況に追い込みます。
特に、高齢者や社会的な不安が高まっている状況では、冷静に対応するのが難しくなり、詐欺のターゲットにされやすい傾向があります。
警察という信頼性の利用
警察は市民から高い信頼を得ている機関です。
この信頼性を悪用する詐欺は、被害者に対して効果的な心理的プレッシャーを与えます。警察官を装うことで、詐欺師は簡単に相手を信じ込ませ、指示に従わせることができます。
特に、警察手帳や制服といった外見的な要素を偽造し、それを用いて詐欺を仕掛けてくるケースも見られています。
よくある警察になりすました詐欺の手口
警察を名乗る詐欺は、被害者の信頼を悪用し、多くの人々が巻き込まれる手口として広がっています。
そこで、警察を装った詐欺でよく使われる手口を紹介し、それぞれの特徴や対策について解説します。
警察になりすましたSNSアカウント
最近の詐欺では、SNS上で警察を装った偽アカウントが利用されるケースが増えています。これらのアカウントは警察の公式アカウントに似せたアイコンや投稿内容を巧みに作成し、フォロワーを獲得します。実際に、各都道府県の警察が実際にアカウントを持っていることもあり、本物のアカウントか見分けるのが困難になっています。
被害者に接触する際は、「捜査協力」や「緊急の通知」として個人情報を求めたり、リンクをクリックさせる手法が使われます。特に、SNS利用者が警察に対して強い信頼感を持っているため、疑わずに従ってしまうことが多く、被害に繋がりやすいです。
なりすまし電話
警察を名乗る電話詐欺は、昔から行われている手口の一つですが最近、一番増えているとも言われています。
詐欺師は被害者に「あなたが関与しており、最悪の場合は逮捕もあり得ます」「あなたの銀行口座情報が悪用されています」といった緊急性のある内容を伝えて焦らせます。警察の名前を出すことで、被害者は本物の警察だと信じ込みやすく、結果として口座情報や暗証番号を教えてしまうケースが少なくありません。
最近では、AIの技術を使ってなりすました声の生成や、電話番号を警察署の番号に偽装する手口も増えており、さらに警戒が必要です。
なりすましメール
警察を名乗った詐欺メールは、警察のロゴや署名を用いて公式のメールであるかのように装い、被害者にリンクをクリックさせる手法です。
「捜査協力のため」「あなたの個人情報が危険にさらされています」といった内容で、不安を煽ります。リンク先はフィッシングサイトやマルウェアが仕込まれたサイトに誘導し、そこで個人情報を入力させてそれを盗んだり、マルウェアをインストールさせることが目的です。
これにより、銀行アカウントなどのアカウント乗っ取りなどの被害に及びます。
警察を名乗った詐欺メールもAIの発展により、誤字なども少なく、より巧妙になり、見抜きにくくなっております。
なりすましSMSやLINEメッセージ
警察を装ったSMSやLINEメッセージも、近年増加している手口です。
これらのメッセージは「捜査中の事件に関する重要な情報があります」といった内容で、リンクをクリックさせます。
メッセージの形式がシンプルなため、受け取った人は特に警戒せず、リンクをクリックしてしまうことが多いです。
詐欺師はスマートフォンのセキュリティの脆弱性を狙い、個人情報の盗み取りやウイルス感染を図っています。
警視庁のホームページによると、「警察官がSNSやビデオ通話で連絡を取ることはありません。」と表記しており、このような警察官を名乗る詐欺の注意喚起を公表しています。
警察になりすました詐欺の手口から守る方法とは
警察になりすました詐欺の手口から守る方法や警察からの連絡が本物かどうかを確認する方法をご紹介します。
1. 最寄りの警察署に実在するケースか確認する
警察を名乗る連絡を受けた際は、まず最寄りの警察署に実在するケースかどうかを確認しましょう。直接、最寄りの警察署に実在するケースか確認しに行くことで、そのケースが偽物の詐欺か確認することが簡単にできます。
もし直接、最寄りの警察署に行くことが難しい場合は、警察の公式アカウントやウェブサイトの発表を確認して、疑問が残るようであれば、「110」の電話番号を使って直接問い合わせることで、詐欺の可能性を排除できます。
2. 不審な点がないか確認する
警察を名乗る詐欺には、いくつかの不審な点があります。以下のようなポイントに注意しましょう。
- 連絡方法がSNSでのやり取り
警視庁のホームページによると、「警察官がSNSやビデオ通話で連絡を取ることはありません。」と表記しており、このような警察官を名乗る詐欺の注意喚起を公表しています。
- 個人情報や金銭を要求してくる
警察は基本的に、個人情報や金銭を直接要求することはありません。
- 緊急性を強調するメッセージ
突然の緊急性を強調するメッセージは、焦りを煽る手口です。詐欺師は迅速な行動を促すことで、冷静な判断を妨げようとします。
- 文面の不自然さ
日本語が不自然だったり、文法的に誤りがある場合、詐欺の可能性が高いです。
- 電話番号や偽の住所
提示された電話番号や住所が実在する警察署と異なる場合、詐欺の可能性が高いです。
3. リンクや添付ファイルに注意する
警察を名乗るフィッシングメールやSMS、LINEメッセージの中には、悪意のあるリンクや添付ファイルを介して実行されるものもあります。
信頼できるように見えるメールやメッセージにリンクやファイルを含め、受信者にそれをクリックさせたり、開かせたりします。これらのリンクをクリックすると、偽のログインページに誘導される可能性があり、個人情報が盗まれるリスクがあります。
また、添付ファイルにはマルウェアが含まれていることが多く、開くことでコンピュータに感染する恐れがあります。
したがって、知らない送信者からのメールや不審な内容を含むメッセージには、決してリンクをクリックせず、添付ファイルを開かないようにしましょう。
4. SNS上で過剰に情報共有しない
SNSでの過剰な情報共有は、詐欺師にとって格好のターゲットとなります。
個人情報やプライベートな内容を不用意に公開しないよう心掛けましょう。
特に、自宅の住所や電話番号、銀行情報などは絶対に共有しないことが重要です。定期的に、自分のデジタルフットプリントを整理しておくことも大切です。
また、自分の生活や身の回りのことをSNSに投稿する際は、他人に知られたくない情報を含まないよう気をつけてください。
5. 家族にも呼びかける
特に年配の親戚がいる場合は、家族として、振り込め詐欺から互いの身を守る方法について話し合うと良いでしょう。
なぜなら、これらの警察になりすました詐欺の被害に遭っている年齢層も高齢者が多いことがわかっているため、家族間でもコミュニケーションを取っておくことも大切な身を守るための対策です。
6. 過去の事例を調べる
過去の詐欺事例を調べることで、警察を名乗る詐欺の手口や特徴を把握することができます。
警視庁のウェブサイトにも、過去の詐欺事例や最近流行っている詐欺などの注意喚起が掲載されている場合がありますので、定期的に確認することをおすすめします。
また、千葉県警察のホームページによると、警察官を名乗った具体的な事例が、音声と文章で公開されているため確認するのも、良いでしょう。
知識を得ることで、警察を名乗る詐欺から身を守る力を高めましょう。
まとめ:警察を名乗るなりすまし詐欺から身を守ろう
警察を名乗るなりすまし詐欺は、今なお増加しており、多くの人々がその巧妙な手口に騙されています。
このブログでご紹介したように適切な対策を講じることで、自分自身を守ることが可能です。
まず、警察からの連絡が本物かどうかを確認するために、公式な連絡手段を使用して最寄りの警察署に問い合わせることが重要です。不審な連絡内容や緊急性を強調するメッセージには特に注意を払いましょう。
また、SNS上での個人情報の過剰な共有を避けることで、詐欺師に狙われるリスクを減少させることができます。
弊社が紹介する詐欺に関する他のブログなども参考にしてみてはいかがでしょうか。